Condemned: Criminal Origins

corlagon2006-05-28

昨年の代表作F.E.A.R.を開発したMonolithが同時期にXBox360で発売したホラーのPC版、それがこのCondemned: Criminal Originsである。グラフィックスの質感などはF.E.A.R.に似ているが、ゲームのコンセプトは全く違う。そして、徹頭徹尾グロい。何とかクリアしたが、かなり後味の悪いゲームだった。

殴り合い

とにかくCCOには爽快感がない。それは、このゲームが鈍器による殴り合いを基本としているからだ。鉄パイプ、板切れ、斧、ハンマー、という具合にありとあらゆる鈍器がこのゲームには登場する。もちろん、リボルバーやショットガンといったFPSに欠かせない武器の数々も出てくるには出てくるのだが、弾はほとんど入っていないし、弾薬の補充もできない(にも関わらずリロードはできる)。基本的には、近くにある鈍器を持って、殴りかかってくる麻薬中毒者やゾンビみたいな浮浪者をなぎ倒していく、というのがCCOのコンセプトである。従って、殴ったり殴られたりしながらゲームは進む。効果音の大半は、変な叫び声と、「ドスッ」という鈍い音であり、スカッと敵を倒せる武器はスタンガンぐらいではなかろうか。
普段、サブマシンガンのオート射撃で遠距離・中距離から敵を攻撃するのに馴れていると、このゲームの間合いにはなかなか適応できないだろう。何しろ、自分と相手の持っている武器のレンジが同じなのである。このあたり、感覚としてはThiefシリーズなど近接系の武器を主とするゲームと同じなのだが、問題はこのゲームがステルスではないことだ。普通、近接が強いゲームはステルスが効く一方、非ステルスで近接系が主体となる場合には強力な防御オプションが付いているものなのだが、CCOの場合にはとにかく防御が弱い。敵はフェイントを掛けてくるし、こちらのガードも一瞬しか有効にならないのだ。というわけで、相手が攻撃してくる瞬間に一発入れて動きを止め、相手の反撃を避けた後にもう一発入れる、という具合に戦っていくわけだが、馴れてくるとワンパターン化して飽きる。正直、最後まであまり上達した気はしなかった。しかも、それでも問題なくクリアできてしまった。

ホラー

このゲームには、血とか金属片とか吐瀉物とか、人を気持ち悪くさせる様々な要素が盛り込まれている。中でも圧巻なのは、相手に止めを刺す時に使えるオプションである。相手を張り倒したり、殴り倒したりできるのだが、ぐちゃぐちゃになった顔面を引き寄せて、それを思い切り地面に叩きつける瞬間などは、ほんとに目を背けたくなる。それぐらい、このゲームの作りは細かい。
ストーリーの方は、謎の連続殺人犯を追いかけているうちに自分まで命を狙われる、というホラー物のよくあるパターンを手堅くこなしている印象を受けた。一応、主人公は警察官という設定なので、色んなハイテク機器を駆使して捜査をするわけだが、それらの器具を使うと、死体の首が絞められた跡なんかを発見することができたり、血の成分解析をできたりして、妙に文明的である。しかし、ごく一部を除けばそういうハイテクは登場せず、これでもかとばかりに朽ち果てた建物のなかでゾンビみたいな敵と果てしなく殴りあうことになる。そして、残酷に殺された死体をいくつも目にすることになるだろう。とはいえ、途中までは手堅いストーリーが最後はなぜか尻切れになってしまったのは残念だった。特に、捕まえた殺人犯を射殺するかどうかという選択をする場面があるのだが、そこでどういう選択をしてもエンディングは変わらないのだ。やはり、XBox360発売に合わせて急いだのだろうか。

結論

とにかく終わってよかった、という印象。私はホラーに弱いのかもしれない。実際、DOOMシリーズもそんなに楽しめなかった。CCOは、それほどの深みのあるゲームではないので、もう一度プレイすることはないだろう。特に、ステージの作りはどこも似たようなもので、比較的単調である。ただ、F.E.A.R.との差異化を図るという意味では、こういう徹底した肉体派のゲームもたまにはいいのではないかと思った。