Need For Speed: Most Wanted

警察から逃走中

私はあまりドライビング・ゲームをプレイする方ではない。車にあまり興味がない、サーキットを走るのが退屈だ、など色々理由はあるのだが、最大の理由はAIとスピードを競うというドライビングの基本的なゲームコンセプトに違和感を持っていることかもしれない。その意味で、このNFS:MWをコンプリートすることができたのは、ゲームのコンセプトとして従来と全く異なる要素が導入されていたからではないかと思う。

Hit the Tail

NFS:MWは2つのフェイズから成り立っている。一つ目は、街中を舞台としたレースである。こちらはそれほど目新しいものではない。二つ目は、警察からの逃走である。このゲームの特徴は、間違いなくこの警察という要素だろう。最初は単なるパトカー、その後に覆面パトカーとかSUVが加わり、最後はスポーツカーとかヘリまで出てきてプレイヤーを追い詰める。一方、プレイヤーの方は街中のガスタンクとか工事現場を崩して追っ手を足止めすることができる。これがかなりの中毒性を持っている。警察の無線もちゃんとしてるし*1
警察から逃げる時に最大の障害となるのはRoadblockとSpikes。パトカーが横向きに並んで道をふさいでいる。でも、これにはちゃんと攻略方法があるのだ。簡単に言えば、Hit the tail。どんなに重そうなSUVでも、車体の後部にヒットすれば跳ね飛ばせる。これさえ知っていれば、危ない状況を何度も脱出できる。逆に、知らなければ後半のミッションはほとんど攻略できないのではないだろうか。

Blacklist

ストーリーモードは、Rockportという街のストリートレーサーのBlacklistを一番上まで制覇するというもの。最初はイントロのムービーがあったりしてカッコイイ。でも、途中は全然ムービーも入らずに、ひたすらレース。コースはどんどん長く、くねくねしてくる。
本作に若干の難点があるとすれば、同じようなレースを何度も走らされるところではないだろうか。美しくモデリングされた街並みの中を高速で走りぬけるのは、初めのうちは快感だ。しかし、少しずつ目が慣れてくると、不自然なコースの作り方が目に付くようになる。明らかに不自然な凸凹があったり、ジャンプ台みたいな道があったり。
あと、AIは後半になっても弱い。レビューサイトによっては、「ゲーム後半にAIが悪魔的に賢くなる」というようなことを書いていたが、あのAIは賢いうちに入らないだろ。たしかにショートカットを多用するようになるけど、スピードが上がった結果としてスピンしやすくなってるし、長く見通しのいい道路でもなぜか交通渋滞に巻き込まれてスピードを落としたりしている。一番簡単な攻略方法は、プレイヤーがあらかじめ前に出て、何台か一般の車とクラッシュして道を塞いでおくことだろう。そうすると後続のレーサーもクラッシュするので。

使い損ねたコンセプト

警察が出てくることは上に書いた通りだ。しかし、NFS:MWの斬新さとしてはこれぐらいか。どうせなら、マルチで警察と普通車に分かれて鬼ごっことかできれば面白そうなんだが。あと、Speed breakerも使い勝手がよくない。というか、使う機会がほとんどない。衝突しそうな局面では、わざと浅い角度で衝突した後にニトロで脱出、というパターンがほとんどだし。それから、警察のパトカーはクラッシュして破壊することができるのに、レーサーにそれができないのはなぜだろう。Burnout3とか、面白そうなコンセプトは色々あるのに。

結論

今年のドライビングで一番評価が高かったのは、おそらくGTRではないかと思われる。しかし、GTRはちょっとリアルすぎて私にはついていけなかった。リアリズムとゲームプレイのバランスに関しては、私にはこれぐらいがいい。まあ、予想通りかなりの時間を食ったので、もうしばらくドライビングはプレイしないと思うのだが。

*1:ちゃんとしてないのはGTAシリーズ。あれはあれでいいのだが。