Star Wars Knights of the Old Republic II: Sith Lords

Malachor V

このゲームは実に一年近く積んでいた。ここ3日ほど時間があったので、まとめてやり込んだ結果、総プレイ時間28時間で何とかコンプリートした。全体的に見ると、序盤と終盤がいまいちで中盤が面白いという結構珍しいパターンに分類できるように思う。

長い台詞

KotOR2のキャラはとにかく良く喋る。シスの司令官から飲み屋の客まで、複数の台詞の選択肢に対応した返事を返してくる。それにしたがって、主人公はダークになったりライトになったり。よく録音したな、というのが正直な感想。
しかし、私はKotORの頃から、どうやってもライトサイドになってしまう。ダークサイドの方は余りにも露骨にインモラルだし、一貫したストーリーラインが見えないので。この点については、ジェダイの騎士の物語であるというスターウォーズ自体の性格から来る面もあるのかもしれないが、それだったら善悪をプレイヤーが判断するシステムが果たしてどれぐらいゲームの面白さにプラスになっているのかはちゃんと考えるべきだと思う。マルチエンディングにすればいいってものでもないのだから。
テクストの密度にもムラがあるなあ、という印象。サイドクエストの多くは、比較的どうでもいい話を延々と聞かされるので疲れる。一方、パーティーのメンバーとの会話をじっくり聞くと、銀河共和国の歴史に詳しくなったりして、なかなかためになる。ただ、全体としては余計なテクストが多いなあ。もちろん我々の日常生活の多くは無駄な台詞で占められているわけだが、これはゲームなんですよ。リアルにできるような話をゲームのキャラとしても面白くないですってば。

ライトセーバー

冒頭に書いたとおり、このゲームの序盤の出来はいまひとつである。最初の10時間ほど、プレイヤーは自分が何をしているのかわけもわからず彷徨い続けるのではないだろうか。しかもキャラの能力が低いので、戦闘は苦戦しがちになる。全体としてペースが遅すぎるという印象を持った。
ところが、主人公がライトセーバーを手に入れると、全く別のゲームになったかのように展開が速くなる。高速化して両手持ちのライトセーバーで敵に突っ込むと、一振りで4回ぐらいヒットして、敵が文字通りなで斬りにされていく。同時に敵の数も増えるので、これでようやく映画のジェダイの気分を味わえるようになる。特に、敵のブラスターの弾を跳ね返せるようになるのが良い。守ることを生業とするジェダイの本質をよく捉えている。
しかも、途中からは味方のパーティーキャラがジェダイになったりするので、ますますゲームのペースは速くなる。しかも、フォースライトニングとかスターウォーズっぽい能力を使えるようになるので、ど派手な戦闘シーンが展開されて見ていて飽きない。個人的には、盲目の女ジェダイのVisasが使いやすかった。

いまひとつだった終盤

という具合に中盤は手際よくゲームが進むのだが、終わり方があまりにも中途半端だった。
一つ目は、ゲームの間延び感だ。レベルが20を超えるあたりから、主人公たちが強くなりすぎるのである。パーティー三人全員がライトセーバー持って、スピードアップして、防御力が上がってると、ほとんどの敵は最初のターンでみじん切りにされてしまうので、こちらとしてはFlurryをクリックし続けるだけ。アイテムを強化しようにも、みんなライトセーバージェダイローブなので、ほとんど工夫の余地なし。私の場合、惑星Onderonのクーデタのあたりから装備を一切いじらなかったが、それでも問題なくクリアできてしまった。KotORの時に、Star Forgeの内部でエンドレスに出てくるシスの軍団に苦労したのとは大違いだった。
二つ目は、エンディングがあまりにもしょぼいことだ。ラスボスのKreiaが、パーティーのメンバーの将来などについて一通り語った後、Ebon Hawkが宇宙に飛んでいって、それでスタッフロール。28時間費やした結果がコレですか。KotORのようにしろとは言わないけど、戦争が終わって市民が街に繰り出したり、花火が上がったりというスターウォーズっぽい終わり方はありえなかったのか。Obsidianを急がせたLucas Artsの失点だろうな。

結論

まあ一年間詰まれただけのことはあるかな、と。つかみが弱く、最後が尻切れ。ただKotORが比較対照になってしまうのが問題なのかもしれない。もしこれが初代として出ていたら、間違いなく夢中になって最後までプレイしただろうから。