Warhammer 40000: Dawn of War: Winter Assault

corlagon2005-10-18

DoWのオープニングムービーを見たことのない人は、絶対に人生損してると思う。それぐらいRelicによるDoWの残虐な世界観のプレゼンテーションはうまく行っていたのだが、このWAには新たなムービーがない。インペリアルガードが新たにプレイできるようになっている他には大きな変更点がないので、以下のレビューにはDoWの感想も含めた。

皇帝陛下のために

401世紀の宇宙はなぜか帝国の支配下になっていた。臣下の忠誠度MAX。スペースマリーンもインペリアルガードも、皇帝陛下のためなら命も投げ出す覚悟で戦っているらしいのだが、その割にはなぜお前らいつも仲間割れしてんだ。軌道上から兵力を投入できるのにいちいち索敵しなきゃいけなかったりするのもご愛嬌ですな。
IGは人間なので弱っちい。すぐ士気が崩れて敗走するし、「Sir, Sir, what should we do!!?」とかほんとにどうしようもない。ところがCommissarをくっつけると射殺されるのが怖くて頑張って戦うのだから帝国の戦い方というのは41000年ほど変わってないことになる。すげえ。
IGをやるとわかるのだが、SMは頼もしかった。あるいはIGの歩兵が弱すぎるだけかも知れんけど。基本的にSMはスターウォーズのストームトルーパみたいなもんだから、ほとんど士気崩れしないし。IGの武器はVehicleですかね。Banebladeはともかく、他の戦車とかでもそこそこ渡り合えるし。しかもSMと違っていちいち「皇帝陛下のために」とか「皇帝陛下のために死ぬことは自分のために生きることに勝る」とか勢いのいいことを言わないからイイ。

Pathfinding

DoWに限らずRTS全般でよく起きるのが、建物がたくさん建ってるエリアでユニットの身動きが取れなくなる現象だ。英語だとPathfindingの問題というらしい。今回、それが多発。戦車と二足歩行兵器の間をIG歩兵が通れるのを見越して支持を出そうとしたら見事に足止め。ついでに他のユニットも足止めされて脱出に何分かかかった。これはDoWが多数のユニットをSquadという形式でひとまとめにして、Reinforcementという形で補充できるような形式にしていることに原因がある。ユニットを一つ一つ操作できれば相対的にユニットが迷子になる可能性は少なくなる(し、迷子になったとしても実害は少ない)。Squad方式だと、ひとりでも迷子になると前に進めなくなるから、狭い所を避けて広い所を移動する羽目になる。そして範囲攻撃の餌食ですよ。それ歩兵の意味ないじゃん。乗り物は敵の歩兵ぐらい踏み潰せるのかと思いきやそんなことでもなく、「一個師団に相当する」はずのBanebladeが道の真ん中で敵の建設ユニットに阻まれている様は哀れを誘った。人を轢かないような安全設計を追求すると防衛優位になって戦争の遂行が難しくなりますな。Offense-Defense Theoryの言うとおりだ。しかしそれを戦争ゲームでやられるとプレイヤー側はたまったものではない。

結論

Relicにハズレはない。というか、ハズレを見たことがない。今回のWAもDoWを忠実に継承していたのでシングルはシナリオに関しては問題ないでしょう。グラフィックは現在市場に出ているRTSの中ではAOE3の次ぐらいに優れているし。マルチは専門外なのだが、とりあえずRushをしにくくなっているらしいのでRTSのバランス調整としてはうまくやったのではないか。というわけで、早く続編が見てみたいものです。